株式会社フェリーさんふらわあの「さんふらわああいぼり」「さんふらわあこばると」は、まだ、関西汽船株式会社(株式会社フェリーさんふらわあの前進)が存在した時代に就航したフェリー(あいぼり:1997年、こばると:1998年)で、姉妹船(同型船)になります。
就航当初は、神戸港~松山観光港~別府観光港を航路とする寄港便でしたが、2010年に下り便、2011年に上り便が松山港に寄港しない直行便となりました。その後、2007年に新造船「さんふらわあごーるど」と2008年に新造船「さんふらわあぱーる」が同航路に就航してからは、大阪南港~別府観光港航路に移転されました。
フェリーさんふらわあ株式会社は、この大阪~別府以外に、大阪~志布志(鹿児島)、神戸~大分の3航路があり、どの航路も船に泊まって現地を日帰りで観光する「弾丸フェリー」という低価格商品を企画しています。以前は知る人ぞ知る的な商品でしたが、今では他社フェリーが類似商品を出すほどの周知のものになっています。
2隻とも船体が古く、神戸~大分航路の「さんふらわあごーるど」「さんふらわあぱーる」と比べると設備の差は大きいものの、大阪の中心地に着くことや、フェリー乗り場が地下鉄の駅と隣接していて、徒歩乗船客のアクセスしやすいこともあり、人気の航路となっています。(2001年、2012年乗船)
レストランは、乗船時はカフェテリア形式でしたが、現在は他航路と同じバイキング形式になっています。また、レストランの営業終了後はレストランスペースは閉鎖されるようになり、かつて、くつろぎスペースとして開放され、トラックドライバー等の酒盛りで賑わっていた光景は今は見られなくなりました。
席数の少な目のプロムナード(展望通路)に事務用テーブルや椅子を後付けで置いたり、船首の展望スペースに折りたたみ椅子を置いて座って外が眺められるようにしたりと、船の古さをカバーしようとする船会社の前向きな姿勢が伝わってきます。
客室は、個室タイプのデラックス、デラックスシングル、ファースト、スタンダードと相部屋のツーリストベッド、ツーリストの5クラス。うち、二段ベットの相部屋「ツーリストベッド」の4名定員部屋は、液晶テレビや小上がりのある個室で、パック商品「弾丸フェリー」利用で乗船すると、わずかな追加料金で個室として利用できるのでおすすめ。
| 全長 | 153.0m |
| 全幅 | 25.0m |
| 総トン数 | 9,245t |
| 旅客定員 | 710名 |
| 車両積載台数 | 乗用車100台、トラック100台 |
| 造船所 | 三菱重工業下関造船所 |
さんふらわああいぼり、こばると要目
・2015年3月より、船内のwifi環境が整備され、客室、ドライバーズルーム、パブリックスペースで無料で利用できようになりました。
・「さんふらわああいぼり」は2023年1月に、「さんふらわああいぼり」は2023年4月に、代船「さんふらわあくれない」「さんふらわあむらさき」の就航に伴い引退しました。
・「株式会社フェリーさんふらわあ」は、2023年10月1日に株式会社商船三井さんふらわあ」に吸収合併され解散しました